忍物語

忍物語 (講談社BOX)「物語」シリーズの新章開始。
ある意味、いつも通りの展開。
安定的に面白いが、あまり驚きはない。
西尾維新のことだから、きっとビックリする仕掛けを埋め込んでいると期待したい。

今回は、阿良々木君が大学生の頃の話である。
ひとつ前の巻が、阿良々木君が就職した時だったので、時系列はバラバラで混乱する。
大学時代にも新しい友人が出来たようだが、就職先の個性的な同僚たちにはキャラ的に敵わない気がする。
阿良々木君の社会人生活の方をシリーズ化して欲しい。

本書のメインヒロインは、忍野忍ということになるのだろう。

女子高生が襲われ、ミイラとなって発見された。
被害者の状態から犯人は吸血鬼と思われる。
容疑者として疑われたのは、古代に忍を吸血鬼にした吸血鬼だった。
しかし、その吸血鬼もミイラとなって発見された。
果たして犯人は・・・

わりとミステリー仕立ての話だった。
犯人とトリックとダイイングメッセージの謎を阿良々木君(むしろ周囲の人間が)が解く。

このシリーズにおける西尾維新のクロスオーバーぶりも際限なくなってきた。
他のシリーズのキャラクターが、躊躇いもなく引用される。
ファンには楽しいが、他を読んでいない人は、何のことだか分からないだろう。

「ーそして七つの奥義を同時に繰り出す、生死流奥義『七花八裂』!」
全部フルコーラスで言っちゃった、と突っ込む頃には、ただし僕は八つ裂きになっていたかもしれなかった。

「老害って。世界中の誰よりもあなたにだけは言われたくありませんよ、阿良々木さん。少しは戯言遣いやりすかちゃんの潔さを見習ってくださいよ」
「りすかちゃんは、まだやり切ってないだろ」
「噂では17年後に最終巻が出るらしいですよ」

「神原。悪いんだけど、ちょっと奴隷になってくれない? あと、一晩家を貸して」
「わかった」
二匹目の奴隷、確保。
「老倉。今夜、僕の奴隷になって、手料理を作ってくれ」
「今夜まで生きられると思うな」
三匹目の奴隷、確保失敗。

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