釧路川カヌーキャンプツアー

カヌーとキャンプ。
何とも魅力的な組み合わせである。

独力でカヌー旅行をする実力はないのでツアーを探したのだが、なかなか見つからない。
カナダのツアーは高過ぎるし、やっと見つけたNanookの釧路川のツアーは、少人数制のため9月はキャンセル待ちだった。

夏休みを10月に持ち越して、やっと参加が決定した。

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当日は始発近くに地元の駅で電車に乗って、羽田から釧路空港までは飛行機、そこから釧路駅まではバス、さらに集合場所の摩周駅まではノロッコ号で1時間半もかかった。

平日の金曜日だというのにノロッコ号はやたら混雑していて、途中の塘路駅までは荷物の置き場にも困るほどだった。
ところが、塘路からはガラガラで、寂しいくらいになった。

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摩周駅で、迫力の摩周豚丼を食べて、更に1時間半の待ちである。
いい加減、ボーっと待つのも慣れてきた。

迎えの車で集合場所のキャンプ場まで運んで貰った。

今回のツアーは季節外れということもあって、当初は参加者が私一人ではないかと危ぶまれた。
最終的には、無事に2人の申し込みがあり、合計3人とガイドの橋田さんによる2艘のツアーとなった。

今回のツアー会社は家族で経営しており、旦那がガイド、奥さんが料理とサポートドライバー、2歳の息子アカリ君がアイドルと各種妨害工作を担当していた。

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カヌーの操作方法の説明もそこそこに、湖をカヌーで渡って、タキギを拾いに行くことになった。

その後、タキギ拾いは日課となる。

カナディアンカヌーはシングルパドルなので、ダブルパドルしか経験のない私は、どのように漕いだら良いのか全く分からなかった。
橋田さんに「右ですか?左ですか?」と聞かれても、何を言っているのだろうと思った。

カヌーは前後の2人で漕ぐ為、前が右なら後ろは左、というように漕ぐ場所の分担を決めるものらしい。

カヤックしか知らない私は、一生懸命、右に左にパドルを漕いでしまった。
後で考えると、ちょっと恥ずかしい。

タキギを拾っていると雨が降ってきたので、その日の練習は終了となった。
各自テントを設営し、奥様の手料理をありがたく頂いた。
その後は、焚き火を囲んで星を観たり、アカリ君のイタズラを阻止したりして過ごした。

10月の釧路はやはり寒く、焚き火でもないと夜は外に居られない。
夕食後は、焚き火を囲み、タキギが無くなると寝るのが日課になった。
カヌーは前後に漕ぎ手というエンジンが2つあるため、カヤックと違い、同時に同じ方向に漕ぐとことで平行移動が出来る。
しかし、2人の息が合わないと、なかなかうまく平行には移動出来ない。

この練習のため、釧路湖の中の半島を、なるべく岸に近い部分を漕ぎ進むことになった。
半島の風が当たる側は波が高く海のようだが、反対側はとても穏やかで気持ちがいい。

そこそこカヤックにも慣れてきたところで、キャンプを撤収し、釧路川に行くことになった。

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釧路川に行く前に、夏の事務所に寄った。

事務所と言っても、壊れたバスである。
夏の間はこのバスで暮らし、寒くなると町なかのアパートに移るそうだ。

冬はほとんど仕事がなく、たまに雪かきの手伝いをしているらしい。
それはそれで、羨ましい生き方だ。

事務所に寄ったのは、セミドライスーツを着るためだった。
川の上流は転覆する可能性が高く、私は橋田さんと一緒の艇なので心配ないが、もう一艘のチームは念のためセミドライスーツを着用するそうだ。
転覆したくはないが、セミドライスーツは、ちょっとカッコ良かったので、私も着たくなった。

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川下りはそれほど難しいこともなかった。
もっとも私は前に乗っていたので、橋田さんに言われる遠り、右寄せ、左寄せ、前漕ぎをしていただけで、舵取りは後ろの役目だったからだろう。

誰もいない川をのんびり下り、たまに中洲で休憩して、お茶を飲んで、タキギを拾った。

半日分の川下りは、あっという間に終わってしまい、河原でのキャンプとなった。
夜は寒いので、常に雨具のズボンを穿いていた。
暖かい食事がとてもありがたかった。

旅行前に喉が痛くなったのだが、風邪が悪化したようだ。
キャンプでは日が暮れるとすることがないので、とにかく寝る。
朝もそれほど早くないので、普段の生活よりも睡眠時間が多く取れる。
風邪を治すために、ひたすら寝た。
目が覚めると、辺りは霧で真っ白だった。

川くだりを始める前に、川を横断する練習をした。
カヌーで川を横断する場合、カヌーの舳先を目的地の45度上方に向けると、川の流れで自然に進んでいく。
感覚的には納得できないが、ヨットが風上に向かうのと同じ原理である。

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川でカーブを曲がる時も、この原理を利用する。
川くだりでは、アウトコースの岸にぶつからないように、インコースのキープが基本となる。
そのため、行きたい方向と反対方向に舳先を向けて、川の力を利用しつつインコースへ近づく。
とても分かりづらいが、方向をコントロールするのは後ろの担当なので、前の私はのんびり観光気分である。

下流になって川幅も広くなって来た。
基本的には流れにまかせれば良いので、眠気覚ましに漕ぐことがあるくらいで、特にすることもない。
川を越えていくタンチョウを見たりして過ごす。
風が少し冷たく、むき出しの手や顔が冷たい。

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最後の宿泊地は、立派なキャンプ場だった。
途中のドラッグストアで風邪薬を買って、温泉に入って身体を温めた。
翌朝は風が強く、テントを畳んでいたら、飛ばされて追いかける羽目になった。
料理と食事用のタープも倒れてしまい、ちょっとした台風のようだった。
てっきりこのまま撤収かと思ったら、最終日も川を下ることになった。

晴れていればゆったりと進めるコースらしいが、流れが穏やかな分、向かい風の時には必死に漕がなければならなかった。
水面を風が渡って来るのが目に見える。
すると、押し返されないように、一生懸命漕ぎ続けなければならない。

最終日にして、体育会系のツアーになってしまった。
後から考えると、色々なコンディションが体験出来て、良かったとも思える。

カナディアンカヌーは、積載量が多くて良いのだが、旅行をするにはサポートの車が必要になる。
また、普段の保管場所にも困るので、残念ながら私には手が出ない。

結局、風邪が悪化してしまった。

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