ナイトワールド

ナイトワールド〈上〉 (扶桑社ミステリー)大昔に読んだ「ザ・キープ」から始まるシリーズの最終巻である。
シリーズを初めから読もうと思ってAmazonで調べたらほとんど在庫がなかったが、自分の本棚に発見して驚いた。
残念ながら、内容は覚えていない。

とても派手なホラーである。
出だしから、いきなり日の出が遅れ始める。
そして、日の入りが早くなって、どんどん昼間が短くなっていく。
セントラルパークに開いた巨大な穴から、夜になると蟲達が湧き出てきて人間を襲う。
初めは小さな蟲だけだったが、次第に巨大な生物も徘徊するようになる。
キングの名作「霧(Mist)」のような世界である。

古代からの続く正義と悪との戦いの最終決戦という設定である。
作者の違うシリーズのキャラクターが続々と終結し、松本零士のような展開となっていく。
他のシリーズを読んだ直後ならば、もっとワクワクしたのだろうが、記憶の彼方なのが残念である。

蟲に蹂躙されて地獄絵図と化したニューヨークの描写はなかなか楽しめる。
しかし、最後がいかにもハリウッド映画的な大団円なのはちょっと悲しい。
なにも、光に集まった人々が歌うことはないだろうに。

個人的にはファンキーなパイロットが気に入っている。
巨大な飛行生物に追われて、海面スレスレでジェット機をターンして逃亡する。
追ってきた生物は巨大なために、身体を傾けて旋回しなければならず、その時に翼が海面に激突して墜落してしまう。
そこまで計算に入れて逃げ切るプロである。

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