蒼い瞳とニュアージュ2

蒼い瞳とニュアージュ〈2〉千里眼の記憶 (角川文庫)マンガのような読み易さになってしまった千里眼シリーズ。
それが作者の狙いだから仕方ないが、私の趣味よりは軽過ぎる。

千里眼サガも沢山の支流が出来てしまい、この話がどこに位置づけられるかわからなくなってしまった。
ラストで、ニート用の住宅地に恵梨香が行くことになったので、随分前に読んだ話に繋がっているのだろう。

スーパーヒロインである美由紀に対し、恵梨香は物理的に強くない。
何でも出来る美由紀に比べ、そこがいいところなのだが、結果的に敵が小粒になってしまう。
今回の敵は、地方の工場の社長とは情けない。

「ドリトル現象」という精神状態は面白い。
精神異常へ至る精神状態として、動物が喋っているように感じるのだ。
自分自身の下意識の反映に過ぎないのだが、その状態に陥った人間の主観で見ると、まるでファンタジーである。
ちょっと生意気な猫が、アドバイスしてくれたりするのだ。
それも、意識に上る前の下意識が掴んでいる情報を伝えるので、超自然的な助言に感じる。
これは面白い。

文章は軽いが、アイディアは流石である。

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