パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス全く事前情報なしで観たが、恐ろしく暗いファンタジーだった。
出て来る妖精達は十分グロテスクだが、一番怖いのは、やはり人間だった。
とても子供に見せられない映画だった。

舞台は独裁政権下のスペイン。
主人公の少女は、身重の母に連れられて、新しい父の待つ屋敷へ向う。
途中でナナフシのような気持ちの悪い虫を発見するが、少女は妖精だと言う。
父親は、残忍な軍人で、自分の血を引くお腹の中の赤ん坊にしか興味がなく、少女には冷たく当たる。
少女の元に妖精が訪れ、妖精の王国に戻るための3つの試練を与える。
現実から逃れるように、少女は妖精の世界にのめり込んで行く。

少女が一人になると文字が浮き出て来る、魔法の本のビジュアルが素晴らしい。
パンを始めとする妖精たちの造形は、グロテスクでユニークである。
手のひらに目玉を付けたり、妖精の頭が食いちぎられたり、なかなか趣味が悪い。

しかし、一番恐ろしいのは人間である。
まま父の大尉は、ちょっとしたことで村人を殺してしまう。
捕まえたレジスタントを、金槌やピンチを使って、嬉しそうに拷問する。
ファンタジックなシーンより、内戦描写の方が多い気がする。

「人生はおとぎ話と違って残酷なものである」
と、少女のお母さんが言うのももっともである。

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