DIVE!!

DIVE!!〈上〉 (角川文庫)SF・ホラーファンと矛盾するようだが、スポコンが好きだ。
野球やサッカーの中継にはまるで興味がないくせに、スポコンの漫画や映画には結構やられてしまう。
プールに飛び込むダイブ競技を舞台に、中高生が競うこの小説にも、やはりハマッテしまった。

まず構成が絶妙である。
第1章では、飛び込みが好きな普通の中学生が、アメリカ帰りの女コーチに才能を見いだされ、成長していく物語である。
第2章は、伝説のダイバーを祖父に持つ野生児が、過去の怨念から逃れ、ダイビングに目覚めていく。
第3章では、両親ともダイバーなサラブレットと呼ばれた少年の苦闘が描かれている。
そして、オリンピックの出場権を巡って3人が競う第4章では、彼らを取り巻く人々の視点も交えて、夢や希望が語られている。

遊びも、恋も、学校も、すべてを捨てて、彼らはダイビングにまい進する。
10mのプラットフォームからプールに飛び込む、その瞬間の快感に、あらゆるものを捧げている。
そんな生き方に、彼ら自身を疑問を持つことはあるが、普通に生きている人間からすると、その研ぎすまされた生き方は、うらやましく見える。

最後はありえないほどのハッピーエンド。
読んでいて気持ちのいい小説だった。

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