「精霊の守り人」シリーズ第4弾。
今回はチャグムを主人公とした、海の王国での陰謀の物語である。
呪術師たちの物語であった前作「夢の守り人」とは違い、今回は王国内の陰謀が中心である。
ファンタジーは宮廷内の陰謀を描いた作品が多いが、私は荒野で怪物と戦いタイプのファンタジーの方が好きだ。
主人公は、1作目で女用心棒・バルサに命を助けられて新ヨゴ皇国皇太子チャグムである。
とてもたくましくなったチャグムは、政治的陰謀に巻き込まれそうになりながらも、純粋さを失わず頑張っている。
今後、多くの国を巻き込んだ戦乱に発展しそうな雰囲気である。
その時には、チャグムを中心に物語が展開するのだろう。
今回は、バルサ達が登場しなかったのが残念である。
最後の儀式の瞬間に向けて、様々な人々の思惑が集約されていく、クライマックスの描き方は見事である。
次回作も楽しみだ。
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