20世紀の幽霊たち

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)短編は難しい。
特に幻想文学は。
作者の想いについていけないうちに、終わってしまったりする。

解説によると、今後のホラー界を引っ張るホープの短編集のようだが、面白い話と、作者の意図が掴めない話が混在していた。
ちなみに、作者はモダンホラー帝王キングの息子である

中でも気にいったのは「ポップ・アート」。
風船の友達を持った少年の物語である。
風船と言っても、普通に学校に通っている。
風船ならではの差別や、希望、絶望が描かれている。
バカバカしいけど泣ける。
キングの息子だし、モダンホラーのツボは、「泣き」だと分かっているのかもしれない。

歴史的名作「ゾンビ」の撮影風景を舞台にした話では、監督のロメロや特殊メイクのサビーニが登場する。
映画館に憑いた幽霊のおかげで、再建を果たした映画館主の物語など、ファンには嬉しいネタも多い。

長編が読んでみたいものだ。

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