魔王

魔王 (講談社文庫)終わってない!
これが読み終わって直後の感想だった。
カリスマ的な政治家の現れた日本で、民衆の暴走を防ごうと超能力を持った兄弟が、孤独な戦いを挑む。
まあ、それほど明確なストーリーでもないが、あらすじをまとめると、こうなってしまう。

独裁者に挑む超能力者という図式は、キングの「デッドゾーン」を思わせるが、こちらの政治家は本当に悪者とは言い切れない。
憲法の第9条改正の国民投票は、かなりきな臭いものがあるが、政治家の主張としてはまっとうなところもある。

自分の思うように相手を喋らせる能力のある兄は、明らかに戦っていたが、自分の運を上げる能力のある弟は、最後まで何がしたいのかわからなかった。
いろいろ曖昧で、ストレスのたまる小説である。
続編として「モダンタイムズ」が出版されたが、こちらには「魔王」のキャラクターは全く登場しないようだ。

評価の難しい小説だ。

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