深海のイール

深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)巨大な怪物が海から襲って来るパニック小説かと思ったら、壮大なスケールのSFだった。
本書の中でも引き合いにだされているけど、「コンタクト」+「アビス」+「ディープインパクト」という感じである。
ハリウッド的アクションシーンも多いが、ドイツの小説なのでひと味違う。

クジラとシャチの連合軍が襲って来るだけでも十分怖いが、海底の陥没による津波攻撃には、人類は手も足も出ない。
ネタをバラしてしまうと、敵は地球全体を覆う単細胞生物の集合体である。
人類誕生より遥か昔の記憶を、遺伝子の中に蓄えているスーパー生命体である。
その割には、最後の解決方法は呆気なかった。

対イール戦の総指揮官が、アメリカの帝国主義に凝り固まった女性なのも面白い。
ハリウッドで映画化されたら、きっと違うキャラクターになるんだろうな。

とても長い話だったが、ひさしぶりにスケールの大きいSFを読んだ。

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