寿命はどこまで延ばせるか?

寿命はどこまで延ばせるか? (PHPサイエンス・ワールド新書)生物はなぜ歳を取り、死んでいくのか、最新科学で解説してくれている。
人間は様々な化学変化で生きていることがわかる。
ミクロ決死圏を思い出した。

生物には全て寿命があると思っていた。
しかし、バクテリアには寿命がなく、条件さえよければ、いつまでも生きられるということだ。
なぜバクテリアに寿命がないかというと、遺伝情報が少ないバクテリアは、遺伝子異常が起こるより早い速度で分裂するため、確率的に正常な遺伝子が生き残るためだという。

人間などの複雑な生物は、有性生殖時の減数分裂により、遺伝子の異常を修復している。
相似した2つの遺伝子が、相手の異常を発見し、修復することにより遺伝子をリフレッシュするのが生殖の目的である。
2つの遺伝子をシャッフルすることで多様性を生み出しているのは、一番の目的ではないという。
その証拠に、無性生殖の生物も単純な分裂ではなく、減数分裂を行っている。

生物は死ぬ原因は、主に2つあると言う。
ひとつは、分裂細胞の分裂回数の上限である。
分裂性の細胞は、生殖細胞を除いて、分裂出来る回数が決まっている。
分裂する度に、DNAの端が切れて短くなってしまう。
これは生物により異なり、人間は50回である。
寿命は、この回数に比例している。
もうひとつは、ニューロンや心筋細胞のような非分裂性細胞の寿命である。
これらの細胞は補充がきかないため、非分裂性細胞の寿命が、生物の寿命の上下となる。

それ以外にも、細胞内での有害なゴミの蓄積も寿命に影響している。
有害なゴミの処理機能が、加齢と伴に低下するため、生命が維持出来なくなる。

とても刺激的な知識の詰まった本だが、残念ながら全てを理解出来たわけではない。
時間をおいて、再読したいと思う。

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