ゴーストハウス

ゴーストハウス「シルバー・チャイルド」のクリフ・マクニッシュだから、普通の幽霊屋敷ではない。
期待を裏切らない異様なイマジネーションで、独自のゴーストストーリーを構築している。
傑作とはいえないが、不思議な小説である。

まず、幽霊が違う生き物のようである。
この世に残された幽霊たちは、壁をすり抜けることは出来ないが、小さな隙間ならどこでも入ることが出来る。
空中をフワフワ漂っており、風に流されないように常に気を使わないようにしなければならない。

4人の子供の幽霊の棲む家に親子が引越して来た。
喘息持ちの少年は、幽霊が見える少年だった。
その家には、4人の子供の幽霊以外に、4人が恐れる女の幽霊が居た。

不思議なルールを持つファンタジーである。
あの世に行く気のなかった、もしくは行くのを邪魔された人が、この世に残って幽霊となる。
しかし、幽霊はいつか「悪夢の道」に行かなければならない。

女が幽霊になった経緯は同情するが、「悪夢の道」に行くのを逃れるために、子供の幽霊たちから容赦なくエネルギーを奪う姿はグロテスクである。
クリフ・マクニッシュの小説は、子供の目線で描かれているので、子供にも容赦がない。

最後は大技過ぎるとも思うが、そうでもしないと子供たちが救われなかったのだろう。

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