今年の山岳部(と言ってもむかし居た会社のサークルだが)の夏合宿は、白馬岳である。
大雪渓で軽アイゼンを使うので、いやが上でも気分は盛り上げる。
その上、高山植物が有名な場所なので、美しい花も楽しめるに違いない。
集合は西国分寺駅。
バスの予約が取れなかったので、私のセレナで行くことになった。
大人8人を乗せての長距離ドライブは初めてである。
その上、各自一泊用のザックを持参しているので、本当に載せ切れるか心配だった。
流石はニッサンのベストセラー・ワゴン!
8人とザック8個乗せても、酷く窮屈なこともなく、エンジンのパワーも問題なかった。
もっとも、私は運転手かナビゲータなので、後ろの2列が辛くなかったか、本当のところは分からない。
狭い所に詰め込まれたせいか、妙にテンションが高く、途中喋り通しで、スペアのドライバも仮眠を取らなかった。
予定より早く八方バスターミナルの無料駐車場に到着。
軽く朝食を食べて、タクシーに分譲し、猿倉に向かった。
ところが猿倉に到着すると、雨が降っていた。
テンションが下がりつつも、レインウェアを着込み、クライミング・オン!
スタートは5時30分くらい。
しばらく行くと雨が上がり、今度は暑くなって来た。
今回の登山は、暑くなったり、寒くなったりの繰り返しだった。
雲に入ると冷えるし、雲がいなくなって太陽が顔を出すと暑くなる。
防寒のためにレインウェアを着たり、腕まくりをしてサングラスをしたりで、なかなか忙しい。
ほどなく大雪渓に到着した。
このために購入した軽アイゼンを装着し、残雪に挑む。
気分は「借りぐらしのアリエッティ」。
理由は、「借りぐらしのアリエッティ」のレビュー参照。
アイゼンさえ付けてしまえば雪渓は歩き易い。
ルートの目印として、茶色く色の付いた雪面をガシガシ歩く。
これは楽しい。
メンバーの中には、雪渓は滑って歩きづらいので苦手だと言う人もいるので、個人差があるのだろう。
振り返ると、どこまでも一列で連なる登山者の姿が、アリの行列に見えた。
メインイベントの大雪渓が終わると、すぐに山小屋かと思ったら、そこからが厳しかった。
急な山道を上っても、上っても終わらない気がした。
それでも白馬山荘に到着したのは13時前。
ほぼ予定通りのタイムである。
山小屋に到着すると、することがないので、とりあえず呑む。
そして吞み続ける。
驚いたことに、部屋は個室だった。
8人で6畳は少し狭いが、押入れも含めれば十分寝られる。
他の山小屋に比べれば、プライバシーも確保出来て、贅沢なほどである。
それでも、イビキのうるさい人間から離れようと、寝床の場所取りでひと通りもめる。
徹夜に近い強行軍がたたって、仮眠のつもりが、しっかり眠ってしまった。
気がつけば、17時の夕食である。
白馬山荘は、1,000人が宿泊出来るマンモス施設なので、食事も大変である。
200人程度入れる食堂で、45分交替で食事を取る。
朝は4時に起きて、お約束の御来光見学である。
山小屋の裏手を少し登れば、すぐ山頂に辿り着く。
雲が多かったが、雲の隙間から朝日を確認出来た。
いざ出発する時になって、またもガスに包まれてしまった。
そのおかげで、珍しいブロッケン現象を再度体験することが出来た。
しかし、太陽が出ていないと、せっかくの高山植物も、撮影する気分にならない。
雲が切れた瞬間を狙ってカメラを構えるのだが、なかなか上手くいかない。
雲が流れて視界が開ければ、雄大な山々の姿を堪能出来る。
木陰の雷鳥を発見するのも、白馬ならではの楽しみである。
2日目は下りばかりだと思っていたので、ちょっとした登りが辛く感じる。
岩の上を効率的に渡る、タカオニのような遊びを始めてからは楽しくなって来た。
それも石が乾いている間だけだった。
石が濡れた場所では、怖くて飛び歩けない。
疲れるし、飽きて来た。
白馬大池で早めのランチ。
山小屋で貰ったお弁当は、まさかの菓子パンセット。
せめておにぎりにして欲しいところだった。
温かいコーヒーが飲めたのが嬉しかった。
最後は、栂池のロープウェイとゴンドラで下山。
すかさず、栂の湯で温泉に入った。
タクシーで、八方バスターミナルまで戻り、高速にのる前にソバを食べることになった。
タクシーの運ちゃんオススメの店は準備中だったので、とにかく営業しているソバ屋に入った。
これがアタリだった。
ソバは美味しいし、サービスでキュウリの漬物が付くし、蕎麦湯用のツユまで別に出て来る。
とても満足。
帰りの中央は予想通り渋滞していた。
幕張から来ているメンバーも居るので、23時西国分寺駅がギリギリのリミットである。
カーナビの予想到着時間が変わる度に、一喜一憂しながらのドライブになった。
朝までファミレスという案も出ていたが、何とか時間内に到着した。
久しぶりにスリリングなドライブだった。
ポータブルGPSの電源を入れ忘れたので、ルートの途中が切れているマップ。