デフレの正体

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)この本ではデフレの原因を数値データを元に検証している。
数値データの持つ説得力には恐るべきものがある。
圧倒的に納得させられてしまう。

ニュース番組を見ていると、その報道に数値的根拠があるのか気になって仕方がない。
特殊な事象を、さも一般的であるかのように報道する姿勢は、とても信用出来ない。
この本では、誰もが入手できる統計データを元に、入手元まで公開して論理を展開している。
非常に説得力があり、圧倒される。
統計の元になっている調査の方法が正しいのか、反対の論拠となる統計はないのか、疑わなければならない点が多々あるはずなのだが、論理の明確さに圧倒されて、納得させられてしまう。

この本の主張は、「経済を動かしているのは、景気の並ではなく人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」というとだ。
「生産年齢人口の減少と高齢者の激増」がデフレの原因であるという。
内需の減少や都道府県間の違いを検証しながら、一般に言われている「地域間格差」「生産性向上による景気回復」といった神話の誤りを暴いていく。

日本の人口構成から予想される将来には恐ろしいものがある。
もちろん、著者なりの処方箋は提案しているのだが、確実に発生する問題に対し、対策が実施されるかどうかは心許ない。

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