吸血鬼、人狼と人間が共存する倫敦。
魂を持たぬ「ソウルレス」であるアレクシア女史が活躍する!
冒頭、アレクシア女史が吸血鬼に襲われ、逆に吸血鬼を刺殺してしまう。
しかし、吸血鬼が彼女を襲うはずはない。
彼女は、魂を持たぬ「ソウルレス」。
彼女が触れると、吸血鬼も人狼もただの人間に戻ってしまう。
人間界でその秘密を知る者は少ないが、吸血鬼では知らない者がいない存在である。
アレクシア女史は人狼の捜査官マコン卿と、反目しながらも不可思議な謎を究明していく。
ヴィクトリア朝の雰囲気とユーモア、ロマンスとアクションが楽しめる快作である。
アレクシア女史の良き友人であるオシャレが生き甲斐の最長老の吸血鬼、マコン卿の礼儀正しい執事のような副官、帽子の趣味が破滅的に悪いアレクシア女史の女友達、果てしなく俗物なアレクシア女史の家族など、登場人物たちも楽しい。
この「英国パラソル奇譚」シリーズは全5巻らしい。
しかし、1冊目でアレクシア女史のロマンスは完遂してしまった。
あの2人だけに、今後どのような波乱が待ち受けているか、気になるところだ。
ちなみ、オールドミスと言ってもアレクシア女史は、26歳である。
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