天と地の守人

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)「守り人」シリーズは、日本のファンタジーの中では、ダントツにしっかりとした背景設定の小説だと私は思っている。
そのシリーズも、ついに最終巻である。

シリーズの初めの「精霊の守り人」では、女用心棒のバルサに助けられるだけだったチャグムは、立派な青年になり、王子として新ヨゴ国を守るため周辺国の説得に奔走している。
大国の侵略の前に、新ヨゴ国の運命は風前の灯だった。
更に、この世と接する異界の異変により、大災害が起きようとしていた。

このファンタジー・シリーズで一番気に入っているところは、民俗、文化、政治、宗教など人間社会の様々な面がよく考えられているところだ。
チャグムによる王族視点から政治が描かれるだけでなく、用心棒のバルサは庶民の立ち位置で語っている。
作者が「指輪物語」のファンなのもうなずける。
見事な別世界大河ドラマであった。

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