「おそろし」があまりに面白かったので、続編である「あんじゅう」をamazonで思わず注文してしまった。
文庫落ちを待つ主義なのだが、今回は待てなかった。
前作でおひちがトラウマを解決して、話は終わったと思ったのだが、それは間違いだったようだ。
主人公であるおひちの物語も、百物語の中のひとつの物語に過ぎなかったようだ。
これから本格的に怪異譚収集が始まるようだ。
「暗獣」をひらがなで「あんじゅう」と書くと、どこか可愛らしい。
標題となっている「あんじゅう」は、可愛くも哀しい化物の物語である。
個人的には前作ほど面白くなかった。
前作がシリーズのパイロット版だとすると、本作は今後の登場人物たちを紹介する章なのだろう。
顔にあばたが出来たばかりに魔除けとされたお勝、貧乏で頼りないようで実は腕のたつ浪人若先生、その友人の偽坊主など、楽しいキャラが揃ってきた(特に、「私は縁起物なので、お嬢様のおそばに居ます」と言い放つお勝がいい)。
そう考えると、今後への期待が盛り上げる。
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