「シルバーチャイルド」で奔放なイマジネーションを楽しませてくれた、クリフ・マクニッシュのデビュー作である。
デビュー作のせいか、ビジュアル的な壊れ方が若干おとなしめである。
それでも十分楽しめる。
作者が「ものすごく悪い魔女の出てくる話を聞きたい」と子供にせがまれたのが、この作品が生まれたきっかけだった。
確かに、酷く醜悪で、残忍な魔女が登場する。
口の中に二組、口の外に二組の歯がある顔なんて、とても想像出来ない。
その邪悪な魔女が支配する暗黒の星へ、二人の子供がさらわれて来る。
姉のレイチェルと弟のエリックである。
魔法に目覚めたレイチェルは、魔女に虐げられている人々と協力して、魔女に戦いを挑む。
レイチェルが魔法に目覚め、トレーニングを受けるシーンが楽しい。
レイチェルは、サンドイッチを思い浮かべるように言われ想像するが、サンドイッチは現れない。
「あなたは確かににサンドイッチを思い浮かべた」モルペスがいった。「だがこのテーブルの上にのっているところを想像しなかった、でしょう?」さらに、
「パンを何色にするか決めわすれたんです。白か茶色か、それとも銀色にするか? 魔法はあなたが何色のパンが好きかわかりません。あなたしかわからない。さあもう一回」そして
「サンドイッチがどんな味か想像するのをわすれているんですよ」
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