銃・病原菌・鉄

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)なぜヨーロッパ(オセアニア)がアメリカ大陸を侵略し、その逆ではなかったかを考察した有名な文明論である。
謎解きの展開がスリリングで面白い。
ただ、私は地理に弱いので、イメージが浮かばなくて困った。

オセアニアには農耕用に品種改良し易い植物があり、家畜に品種改良出来る哺乳類が棲息していた。
それが狩猟採集よりも農耕のメリットを高くし、狩猟採集から農耕へのシフトを促した。
農耕による余剰食料の生産が、政治や技術開発などの生産以外の人員を養う余裕を生み、政治と技術の高度化が可能になった。
また、南北に長く気候が大きく異るアメリカ大陸に対し、東西に長いオセアニアは気候が似通っており、農耕の技術移転が容易だったのが、文明の拡大のために有利に働いた。
これが基本的な考え方である。
このような視点で人類史を見ると、とても面白い。

ヨーロッパからの侵略で、アメリカ大陸に住んでいた数多くの民族が全滅に追い込まれたが、その理由は進んだ武器による虐殺ではなく、ヨーロッパ人の持ち込んだ病原菌だった。
病原菌の多くは、家畜から人間に伝染ることで広まる。
長い間家畜とともに生活していたヨーロッパ人には病原菌に対する免疫があったが、アメリカ大陸の人々は免疫を持っていなかった。
そのため、ヨーロッパ人の持ち込んだ病原菌で、あっけなく死んでいくことになる。
恐ろしい事実である。

かなりボリュームがあるが、読んでおいて損のない一冊である。

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