天地明察

天地明察(上) (角川文庫)この作者による星雲賞受賞の作品を読んだが、私には合わなかった。
時代劇であるこちらの作品の方が私の趣味に合っている。
江戸時代末期、新しい暦を世に認めさせようとする数学者の苦闘が描かれている。

主人公の渋川春海は、幕府の囲碁打ちという珍しい部署の人間である。
さらに渋川は、趣味が数学という変わった人間である。
当時の数学好きは、神社や数学道場に問題を貼り出し、その問題を解く腕試しをしていたというから面白い。
その渋川が、誤差が目立ち始めた旧来の暦に変わり、新しい暦を作成する大役を仰せつかる。
新しい暦の制定は、やりようによっては莫大な利益を幕府にもたらす。
ところが、新しい暦はなかなか認められず、大きな挫折が渋川を襲う。

私が特に好きなのは、渋川と一緒に地図計測の旅をする数学の鬼である大先輩の会話である。
江戸に若い数学の天才が居ると渋川に聞いて、是非弟子入りしたいと二人の大先輩が言い出す。
そんな年下の人間に弟子入りするのか、という渋川の質問への答えがふるっている。
「若い先生はいい。なかなか死なないから」

「えん」の役が宮崎あおいなら、映画を観てもいいかもしれない。
主人公は岡田くんより、もっとボーっとした人が良いのだが・・・

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