古本を巡る普通の人々のちょっとしたミステリー。
3冊めの本作でも、他人の夫婦や親子の謎は解決しても、店主と主人公の関係は一向に進まない。
ただし、今回は次回に向けて大きな伏線があった(多分)。
まず、このシリーズでは日本の古典などの所謂古本ではなく、ちょっとむかしのSFが話題になるのが嬉しい。
スタージョンの「影よ、影よ、影の国よ」と言われると、ニヤニヤしてしまう。
今回の本は以下の3冊
「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング
「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」
「春と修羅」宮沢賢治
今回も、人も死なず、驚くようなトリックもなく、古本に関する含蓄と普通の人々のちょっとした秘密がある。
安心して、楽しみにして読めるシリーズである。
最後に、なぞのお母さんの登場が暗示されている。
むかしの知り合いの反応からすると、かなりとんでもない人物なのだろう。
登場が楽しみだ。
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