獣の奏者3,4

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)巨大な蛇である戦蛇と、それを狩る王獣という巨大な鳥(?)を兵器とする異世界の物語である。
日本の誇るファンタジー作家上橋菜穂子の作品なので、物語の作りはしっかりしている。
しかし、今の日本の状況で読むと、違う感慨を得る。

前作「獣の奏者1」「獣の奏者2」の続編である。
王獣を操り国を救ったエリンは、一児の母親になっている。
戦蛇の大量死の原因を追ううちに、エリンは古代から隠された戦蛇と王獣、そして人間の秘密を知ることになる。

前作に引き続き、しっかりした世界観には好感が持てる。
文化、宗教、政治、経済まで緻密に考えられた世界では、人々が生き生きと、リアルに生活している。

だが、少し退屈でもあった。
エリンが探す秘密の方向性は、かなり早い段階でわかってしまうからかもしれない。
それよりも、中国や韓国と領土問題で揉めている現在の日本の状況と照らし合わせると、人間の愚かしさが現実の問題として意識されてくる。
少し前までは戦争は、他国と歴史とフィクションの中のものだった。
ちょっとしたことで現実側が変わってしまった。
今後は、小説を読む読み方も変わってしまうのだろう。

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