池上彰の政治の学校

池上彰の政治の学校 (朝日新書)現在の政治情勢を見ていると政党政治、ひいては民主主義が限界に来ているのではないかと思えて来る。
こういう時代だからこそ、国民の教育という側面を持つテレビなどのメディアが、政治について解説を行うべきだと思うのだが、メディアも機能不全を起こしている。
そんな中、体系的にやさしく解説してくれる池上彰の本は重要である。

この本では、以下の構成で政治について解説している。

1限目:選挙
2限目:政党
3限目:国会
4限目:官僚
5限目:ネットと政治
6限目:ポピュリズム

高校の政治経済の授業で、簡単に教わっただけの政治の仕組みは、大人になってからも繰り返し学び直さなけれならないと思う。
そうしないと、市民による政治のチェックが機能しない。
本来国家として取り組みべき課題だが、現状では各自で補完するしかない。

とても分り易い説明なので、読んだ時には分かったような気がする。
しかし、歴史の本と同じで、読んだ後に、猛烈な勢いで記憶から消えていく。
また、機会を見て再読しようと思う。

以下は引用(一部抜粋)。

高知県知事だった橋本大二郎氏はこのような名セリフを言ったことがあります。
「次の選挙のことを考えれば、ゲートボール場をたくさん作ればいい。でも、県の今後の発展を考えれば、子どものためのサッカー場を作ったほうがいい」

イギリスの歴史家ジョン・アクトン卿はこんな言葉を残しています。
「絶対的権力は絶対的に腐敗する」と。
これは民主主義の大原則です。
だから、大統領には強い力を持たせるけれど、絶対的な力は与えない。
最高裁判所や議会がこれをチェックする。
チェックすることによってバランスを取る仕掛けになっている。

「実は社会党と自民党の差がなかった」ということは、野党であった社会党にとって、不幸なことだったと言えるかもしれない。
自分たちが過半数を奪取し、政権を取る意欲を押し下げたに違いない。

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