つぎはぎだらけの脳と心

つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?人間の脳は、案外いい加減な作りであり、それ故に、人間らしい感情や文化が生まれている、という面白い視点の本。
神経科学者の著作だけあって、読んでみると、納得してしまう。

大前提は以下の通り。

【脳の設計の進化上の制約】
1.脳をゼロから設計し直すことは出来ない。
 必ず既存のものに新たな部分を付け加える、という方法を採らなくてはならない。
2.脳にいったん持たせてしまった機能を「オフ」にするのが非常に難しい。
 たとえ、その機能が負の効果をもたらすような状況でも、なかなか「オフ」にはできない。
3.脳の基本をなすプロセッサであるニューロンは処理速度が遅く、信頼性も低く、信号の周波数帯域も狭い。

ホストコンピュータのプログラムのメンテナンスを考えると、とてもイメージし易い。
この前提から、未成熟な子供の誕生や能力・性格への環境の影響、夢や宗教の発生までが説明されている。

面白い本だった。

[amazonjs asin=”4772695168″ locale=”JP” title=”つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です