神去なあなあ日常

神去なあなあ日常 (徳間文庫)高校卒業と同時に、本人の意志と関係なく林業の世界に放り込まれた若者の目を通して、林業とそれを営む村の生活の面白さが描かれている。

山登りが趣味なこともあって、山の中で木々が管理されている姿はよく見る。
台風の後などは、人力で山道を修復する人たちには感心する。
それもあって、林業を営む人々の生活を描いた本作品はとても興味深かった。

木々を相手にする仕事は、時間に対する感覚が全く違うようだ。
数十年単位で木の成長を考えなければ、山の環境は整えられない。
5年後もわからない我々の世界とは大きな違いだ。

村の中での人間関係が濃密なのは、実際にはいいことばかりではないのだろう。
若者のほとんどいない村では、活気は失われていくに違いない。
この小説の中では描かれていない現実もあるとは思う。
ただ、都会に生きるのが良いという単一的な価値観も見直すべきだとは思う。
職がないなら、林業を経験してみるのも人生の幅が広がるかもしれない。

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