重力とは何か

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)重力について、その研究の歴史から丁寧に教えてくれる。
ニュートンに始まり、アインシュタインの特殊相対性理論、一般相対論、量子力学から超弦理論に至る。
要所要所に分り易い説明があるのだが、やはり最後まではついていけなかった。

ニュートン力学では説明出来ない「光速」という極限状態の説明のために、アインシュタインの相対性理論が生まれた。
そして、相対性理論で説明出来ないブラックホールという極限状態を説明するために、超弦理論は生まれた、らしい。

難解な相対性理論が分り易く感じてしまうほど、超弦理論は感覚的に理解出来ない。
もっとも、著者の説明の例がとても良いので、わかった気になっている部分もある。
光速近くで走る電車の中と外での時間の違いを、時間を計測する光が進む距離で説明したり、重力による空間のひずみを、紙からある角度(欠損角)を切り抜いて出来る円錐に例えるなど、とてもイメージし易かった。
量子力学の説明においても、単体の軌跡はランダム粒の性質を持つ光子が、観測を続けると波の性質である干渉縞となっていく事例など、納得出来るものがある。

しかし、超弦理論まで来るとイメージが全く掴めない。
我々の住むこの宇宙は10次元時空であり、見えない6次元空間にこそ秘密が隠されているというのだ。
もう、SFというよりファンタジーにしか思えない。
それも、かなりヘビーな幻想系である。

何もない真空に突如エネルギーが発生するが、自然に気づかれない少しの間だったら、エネルギー保存の法則が破られても問題ないというのだ!
興味深いが、ついてはいけない・・・

実は、ここで先程の不確定性原理が意味を持ちます。
すでに述べたとおり、不確定性原理によれば、時間とエネルギーは同時に決められません。
時間を正確に決めるほど、エネルギーの量は決めにくい—つまりエネルギーの量がアバウトになる—ということです。
したがって、ほんの短い時間であれば、エネルギーの保存則が破れてもかまいません。
会社のお金をちょっと使い込んでも、すぐに返せばわからないのと同じこと(実際にやってはいけませんよ)。
真空からエネルギーを借りて対生成を起こしても、自然が保存則の破れに気づく前に対消滅してエネルギーを返せばいいのです。

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