このシリーズでは、最後の1冊である。
ヌリハナバチの帰巣本能、アリの方向感覚、ツリアブ幼虫の寄生、キンバエの消化力、ハナガカバチの狩りである。
昆虫たちの驚くべき生態との付き合いも、これが最後と思うと、寂しい限りである。
ヌリハナバチは成虫になる時に分厚い障害物に穴を開けられるが、それはひとつだけである。
薄い紙で覆うと、2つ目の穴を開けられず、そこで死んでしまう。
穴をひとつ開けると仕事が終わったと思ってしまい、2つ目を開けようとも思わない。
ここに本能の限界がある。
ツリアブの幼虫は、脂肪のいっぱいつまったふくろのようだったヌリハナバチの幼虫の、皮膚のうすい膜から、中身がしみ出すようにして、吸い出してしまう、というのだから恐ろしい。
吸い出すための穴があまり小さいので、吸いだした後の抜け殻に空気を入れて膨らませても、空気が抜けないそうだ。
本文ではないが、解説で紹介されているハチとアリの生態も凄まじい。
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