ウェブとはすなわち現実世界の未来図である

ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)大前研一と伊藤穰一が推薦する帯に惹かれたが、別に新しい知見はなかった。
ネットに普段から接していない人には、総合的な解説書として良いのだろう。

著者は元Wired日本語版の編集者だった。
道理で興味の方向が私と似通っている。
最初のWired日本語版にはかなり影響を受けたし、その方向で今も情報収集しているので、この本で目新しい情報が少ないのは仕方ない。

テクノロジーの発達と低価格化により、現代のネットは人間中心の「ヒューマン・ファースト」に向かっている、というのが本書の主張である。

「ヒューマン・ファースト」の世界では、ビジネスは今までと違う方向に向かう。

情報の選別とは、それがあなたにとって意味のある信号か、あるいはただのノイズかである。
これまでのマスコミュニケーションにおいて、情報とはすなわち「露出量」だった。
「露出量」は「愛着」や「共感」もさることながら、まず「注目」を集めることに重きを置く。
しかし、フェイスブックの登場以降、情報は「強弱」に変わった。
たとえば、あなたにとって「強い」情報とは何だろうか?
それはあなたが信頼を寄せる人からの情報発信だったり、親近感を感じるものだったりするだろう。
そして、それは同時にあなたの注目を獲得する。

シェアの動きが見据える先にあるものは、モノを販売するだけではなく、それが提供するサービスによって得られる「体験を売る」という発想の転換だ。
安価な仕入れ原価のコーヒーを高く販売し、支持を得られるスターバックスは、たんなるコーヒー豆以上のものを販売している。
体験しか売っていないディズニーランドがつねに賑わっている理由は何か。
それらに思いを馳せるとき、ヒューマン・ファースト時代のビジネスの姿が浮かび上がるだろう。

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