海賊と呼ばれた男

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)とても売れている出光石油の創立者の一代記である。
体裁としては、ノンフィクションではなくフィクションである。
少し、期待をしすぎたのかもしれない。

主人公が石油の商売を始める際し、利権の関係で港では商売が出来なかったので、船を出して海上で石油を販売した。
それが「海賊」の謂れである。

どこまでも真面目で、社員を家族として大事にする社長が主人公である。
既存利権にしがみつく国内の石油会社や海外のメジャーが、彼の前に立ちふさがる。
そのたびに、知恵と度胸と社員の頑張りで勝ち抜き、会社は大きくなっていく。

確かに生き様としては美しいが、物語として出来すぎと感じてしまう。
いや、実話だから仕方ないのだが。

第二次大戦前の小国であった日本や、高度成長期の雰囲気が伝わる歴史小説としても面白い。

彼に惜しみない出資をした金持ちの存在が素晴らしいと思った。
昔はそんな旦那(エンジェル)が居たのだろう。

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