ビジネスモデルの教科書

ビジネスモデルの教科書: 経営戦略を見る目と考える力を養う現代の企業がどのような戦略をもってビジネスを運営しているかについて、非常にまとまった説明をしている。
分類と説明がうまく構造化されており、とても読み易い。

基本的な考え方は、冒頭の以下の言葉通りである。

つまり、「誰に」「何を」売るのかという顧客と価値提供の選択だけでなく、戦略を支える経営資源の使い方などの仕組みを包括した「ビジネスモデル」に注目します。
というのも、強い戦略があればビジネスが成功するというわけではないからです。
その戦略を支える仕組みを含めて事業体として強いビジネスが成功するのであり、またビジネスモデルが理解できないと、競合の狙いや強みも理解できないからです。

各ビジネスモデルについて、以下のパターンで説明している。
説明のフォーマットが統一されているので、とても理解し易く、比較も容易である。

  • 概要と例
  • 価値創造過程
  • 有効に機能する条件
  • 落とし穴
  • 類似のビジネスモデル
  • このビジネスモデルから学ぶ戦略思考

大きくは「事業レベル」と「コーポレートレベル」に分け、その中でも独自の視点で分類し、解説している。

事業レベル

顧客セグメント・顧客関係

  • 地域ドミナント
  • クリームスキミング
  • 特定市場の支配
  • グローバル化
  • 顧客ライフサイクルマネジメント
  • 顧客の購買代理
  • プラットフォーム

提供価値

  • ソリューション
  • 同質化
  • アンバンドリング
  • デファクトスタンダード
  • ブルーオーシャン

価格/収入構造

  • レーザーブレード
  • フリー
  • 敵の収益源の破壊

ビジネスシステム

  • チャネル関係性の利用
  • ダイレクト
  • サプライチェーン種別の変更
  • 機能外販
  • リソース先制
  • マクドナルド化
  • 提携先のレバレッジ
  • 強者連合

コーポレートレベル

  • 資源再配分の加速
  • 同業との統合
  • 周辺産業との統合
  • ブランド買収・再生
  • 川下への進出
  • 川上統合によるブラックボックス化
  • 中立性・専属性のマネジメント
  • レバレッジドバイアウト

この本を読むと、同じコンビニチェーンが近所に多いのは、「地域ドミナント」だと分かるようになる。

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