カルトムービー本当に恐ろしいホラー映画

カルトムービー 本当に恐ろしいホラー映画 (メディアックスMOOK)「本当に観ておくべき傑作ホラー映画を網羅した、恐怖の映画ガイド」と銘打ったガイドブックである。
作品の選択には選者の個性が反映されるので、なぜこの作品が選ばれて、この作品がないのか、という疑問が出るのも仕方がない。
モノクロ時代の作品から現代まで網羅的に紹介されているので、自分の知識の抜けを確認できる。

作品を選んだ桂千穂は、「ハウス」「時をかける少女」等の脚本家である。
大林宣彦監督との親交もあるため巻末には、大林宣彦監督との対談が収録されている。

ガイドブックなので各作品のストーリーが紹介されているのだが、もう少し作品の歴史的背景やトリビア的情報が多いほうが楽しめると思う。
例えば、「古城の亡霊」は、「忍者と悪女」を撮り終えた後、主演俳優の契約が3日残っていたため実質2日で撮り終えた、というエピソードが紹介されているが、このような情報がもっと欲しいところだ。

70年代以降のホラー映画は、苦手な拷問系とカニバリズム系以外はフォローしていたつもりだったが、この本を読むと抜けている作品も多いことに気づく。
この世界は奥が深い。
この本を読んで観てみたい、または観直してみたいと思った作品は次の通り。
少し古い映画はレンタル屋にも置いていないので、YouTubeで字幕なし版を探すしかないかもしれない。

・回転
・血の祝祭日
・悪魔のシスター
・狼男アメリカン
・ウィッカーマン
・アザーズ
・エミリー・ローズ
・コリン LOVE OF THE DEAD
・死霊館

大林
それは時代が教養不足なの。
映画に対する教養がないのが原因なんですよ。
怪奇と幻想映画っていうのはね、一番映画的な教養がいるんですよ。
(中略)

映画的教養がある人の愛玩物。
本当の映像感覚があって映画的教養がある人しか、本来の怪奇映画は作れないんですよ。
怪奇映画っていうのはね、そういう本当の映画の申し子みたいな人しか作れないんですよ。
大林
究極の趣味性美学、映画への殉愛ですからね。
誰にでも作れるもんじゃない。

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