ワークシフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉自分の子どもから、将来に職業について相談された著者が、回答を模索するために始めたプロジェクトの成果が本書である。
2025年の世界を5つの要因と32の事象から予想し、働き方のシフトを提案している。

未来へ大きな影響を与える要因とは、次の5つである。

・テクノロジーの進化
・グローバル化の進展
・人口構成の変化と長寿化
・社会の変化
・エネルギー・環境問題の深刻化

ここで言う「社会の変化」とは、「家族のあり方の変化」や「バランスを重視した生き方の普及」を意味している。

この5つの要因から予想される未来について、暗いシナリオと明るいシナリオを提示している。

暗いシナリオは、変化に対し準備をしなかった人に訪れる「漫然と迎える未来」である。
・いつも時間に追われ続ける未来
・孤独にさいなまれる未来
・繁栄から閉めだされる未来
上記3つのパターンの事例として、架空の人物の生活が描写されている。

明るいシナリオは、変化への準備を怠らなかった「主体的に築く未来」である。
・コ・クリエーションの未来
・積極的に社会に関わる未来
・ミニ起業家が活躍する未来

2025年に向けて、働き方を次のように「シフト」することを著者は提案している。
・ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
・孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
・大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

インターネットの発達と知識のデジタル化に伴い浅い知識は価値を失うので、ゼネラリストは不要になる。
また、グローバル化の進展とテクノロジーの進歩により、ある職業や知識の価値が突然失われる恐れがあるので、ひとつの専門知識だけでは危険である。

人口の多かったベビーブーム世代は、つねに競争を強いられてきた。
その子どもたちの世代は、競争よりも協力を重視するようになってきている。
テクノロジーの進歩により、場所にとらわれない協力も可能になってきている。

これからは、次の3つの繋がりを維持することが重要だとしている。
・ボッセ(頼りになる同志)
・ビッグアイディア・クラウド(大きなアイディアのもと)
・自己再生のコミュニティ(支えと安らぎの人間関係)

2025年の世界に影響を与える5つの要因と32の事象の中から、自分の関心のある領域を選び出し、自分自身の未来図を描き、それに向けて準備することが提案されている。

みなさんが充実した職業生活を送れるかどうかは、次の3つの課題に対処する能力によって決まります。
第1は、職業人生を通じて、自分が興味をいだける分野で高度な専門知識と技能を習得し続けること。
第2は、友人関係や人脈などの形で人間関係資本をはぐくむこと。
とくに、強い信頼と深い友情で結ばれた少数の友人との関係を大切にしながら、自分とは違うタイプの大勢の人たちとつながり合うことが大切になります。
第3は、所得と消費を中核とする働き方を卒業し、創造的になにかを生み出し、質の高い経験を大切にする働き方に転換することです。

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