西遊記~はじまりのはじまり~

西遊記~はじまりのはじまり~ (小学館ジュニア文庫)西遊記の三蔵法師が、まだパッとしないゴーストハンターだった頃のお話。
妖怪の中に眠る善の心を呼び覚まそうと奮闘し、凄腕の美女に追いかけられ、悟空たちと出会うことになる。

「少林サッカー」の監督なので、当然バカバカしいアクションを期待していた。
この映画では、妖怪の造形は物凄いが、それよりも妖怪ハンターたちがどうかしている。
片足だけ異様に大きい爺や、婆さんに担がれた輿に乗っている虚弱体質な男、ハウルの城のような車で移動する強盗団のような一団など、ちょっと文章では表現しづらいキャラクター達である。
彼らの壮絶な戦闘には、変わったユーモアがある。
期待通りの部分もあるが、ついていけない感性の場面もあった。

冒頭の騒ぎで、子どもが妖怪に食べられてしまうのは頂けない。
三蔵が自身の無力を思い知るためとはいえ、見ていて辛い。
この映画では妖怪が簡単に人を殺す。
もともと西遊記はそういう話かもしれないが、その妖怪が後で仲間になるのは心情的に受け入れづらい。
そう言った意味でも、ハリウッド的な予定調和がないので、次にどうなるかハラハラする。

驚くべきことに、この映画のメインはラブストーリーだった。
三蔵に一方的に惚れた凄腕のゴーストハンターの女が、拒絶されても健気についていく。
何のひねりもなく、ただただ健気なのだ。
やっていることは、ほとんどコントだったりするのだが。

発見された時の悟空が、冴えないおっさんなのが良い。
そして、ズルくて、凶暴なのだ。
日本の妖怪と違い、人間とはかけ離れた存在である。

ラストに流れたGメン75のテーマは、誰への受けを狙ったのだろうか?

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