「業種別会計シリーズ 建設業」に続き、「不動産業」である。
不動産業といっても不動産販売業、不動産賃貸業など全く異なる業務の業種が複数ある。
それぞれについて、主要なプロセスと会計計上、監査ポイントが解説されているので、現状調査の骨格作りの際に、とても役に立ちそうだ。
例えば、不動産分譲業のプロセスは、以下のような例が紹介されている。
(1)用地の情報収集・買収
a.用地情報の収集
b.土地の調査’、収支計画
c.買収
(2)設計、造成、建築
a.建設の設計
b.建設会社の決定、造成・請負契約締結
c.施工管理
d.建物の竣工、建物代金の支払い
(契約時、上棟時、竣工時に分けることが多い)
(3)販売活動・顧客との売買契約締結
a.販売会社の決定
b.販売方針の決定
c.モデルルームの設置、広告の実施
d.顧客との売買契約締結と手付金の受領
(4)引渡し
a.残代金の決済、引渡し
b.収益計上、原価配分
c.不動産移転登記
(5)アフターサービス
a.顧客からの請求
b.アフターサービス履行
また、不動産の売却は次のような取引になる。
1.買主と売買の合意(不動産売買契約書の締結)
2.手付金(通常売買代金の10%程度)の受領
3.残代金の受領
4.鍵および所有権移転登記に必要な書類を買主に引渡し(買主から受領書を入手)
5.売上の計上
6.売上原価の計上
7.買主が所有権移転登記を実施
一般の人にはあまり意味のない、いわゆる専門書である。
システムコンサルタントのはずが、会計のコンサルタントになりつつある。
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