生ける屍の死

生ける屍の死 (創元推理文庫)死者が蘇ることになってしまったアメリカの田舎町を舞台にした、本格ミステリーである。
殺人事件の犯人を探すのだが、被害者が起き上がって失踪するという、訳の分からない状況である。
しかし、最後のオチは、ちゃんと状況に則した解決なのはたいしたものだ。

探偵役からして死んでいる。
自分を殺したのは何者か、自分の身体が朽ちる前に見つけよとする。
死んでも生き返るのだから、犯人を真剣に探す必要があるのか、分からなくなって来る。

著者のデビュー作であるためか、翻訳ミステリーと思わせる雰囲気の作りに気合が入っている。
タイトルからして「Night of The Living Dead」のパロディだし。
この本を読むと、アメリカにおける葬儀の文化がよく分かる。

腐敗は血液から始まる。死後硬直が解け始める。冬場で死後3日目ごろからそれは始まり、暗色の腐敗血が血管に充満し、樹枝状に怒張した腐敗網が全身に現われる。

「すまん、ちょっと死んでたんでな、全然聞いてなかった。悪いがもう一度最初から繰り返してくれないか?」

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