アルベルト・アインシュタイン

アルベルト・アインシュタイン ――相対性理論を生み出した科学者 ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉アインシュタインは物理学の根本をひっくり返した相対性理論と、お茶目な写真で天才のアイコンとなている人である。
しかし、世界大戦時に平和主義者として、我が身の危険を顧みずに活動していたことは知らなかった。

アインシュタインは、頭は良かったのだが、教授たちに迎合することがなかったので、なかなか就職が決まらなかったようだ。
やっと就職の決まった特許庁は、時間に融通がきくため研究を続けることが出来た。
研究成果を認められ、教授として大学に迎え入れられた。

しかし、ナチスドイツが台頭して来たドイツでは、ユダヤ人の迫害が始まり、ユダヤ人であるアインシュタインも対象となる。
アインシュタインは有名人であることを利用し、世界中で反戦、反ナチスの言動をくり返した。

ナチスが核兵器の開発をしていることを知ると、アメリカの大統領に核兵器の開発を進言する。
しかし、戦後ドイツに核兵器開発の能力がなかったことを知ると、進言したことを後悔した。

この本を読むと、アインシュタインの頭の良さよりも、粘り強さに驚く。
10年かけてひとつの理論を完成させるなど、半年ごとに成果が求められるビジネスの世界からは想像出来ない。

過激な攻撃にもアインシュタインは、ユーモアで反撃することを忘れません。同じ電車に乗り合わせた顔見知りの学生に、アインシュタインを批判する本をわざとみせて、「アインシュタインがなぜこんなことを言ったのか、まったく理解できない」という文章の欄外に「なんと立派な告白だ」と書き添えてニヤリと笑いました。

「徴兵された兵隊のたった2パーセントが銃を拒否すれば、政府は無力になるのです。世の中にはそれだけの人間を収容できる刑務所はないのです」

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