ウルトラマラソンのすすめ

ウルトラマラソンのすすめ: 100キロを走るための極意 (平凡社新書)フルマラソンを完走し、トレイルランニングの大会に参加した後は、トライアスロンに進むことも考えた。
しかし、「Born to Run」の影響もあって、今に気なるのはウルトラマラソンである。
本書は、24時間テレビの芸能人マラソンのコーチでもあり、日本におけるウルトラマラソンの仕掛け人による、ウルトラマラソンの歴史と方法の解説である。

サラリーマンだった著者は、会社のクラブ活動の一環としてマラソンに関わり始めた。
間寛平のウルトラマラソン企画に関わったのをきっかけに、ウルトラマラソンへのウェイトが高くなり、脱サラしたマラソンをサポートする会社を立ち上げてしまったようだ。

本書は、著者がマラソンに関わって行った歴史、ウルトラマラソンの歴史、ウルトラマラソンの走り方のアドバイスという3つのパートで構成されている。
私としては、ウルトラマラソンの走り方のアドバイスに一番興味がある。

非人間的な長距離を走るウルトラマラソンは、実はとても論理的、戦略的な思考を必要とするスポーツである。
エネルギーや身体の使い方をしっかり考えておかないと、とても100キロ以上を走れるものではない。

たとえばピッチについて、

ピッチは個人差がかなりあるが目安としては、
1分間に160〜170歩
が標準的だ。歩幅70cmで170ピッチで走った場合、
0.7X170=119m
となる。つまり1分間に119m進むことになるから、1時間走ると119X60=7140m(1時間で7.14km) 、10時間にすると71.4kmとなる。
このペースで100kmを走ると14時間00分。
途中の給水・給食・休憩で30分費やすと、計算上は14時間30分が100kmの完走時間となる。

ストレッチも重要らしい。
大体5キロおきに屈伸・伸脚・体側のばし・肩回し・腰回しなどを行うと、筋肉の柔軟性が落ちるのを遅らせることが出来る。

それでも、100キロのランでは苦痛は避けられない。
ウルトラマラソンは苦痛と折り合うスポーツであり、人生のようでもあり、修行のようでもある。

では、痛みが出てきたらどうするか? 重要なのは「痛みと折り合うこと」である。痛み自体を劇的に解消することは、鎮痛剤でも飲まない限りできない。そうであれば、今感じている痛みと、これからまだ走らなければならない距離や時間とを比べて、「ガマンできる痛み」を感覚的に見つけることが大切だ。
我慢できない痛みを10としたら、7か8くらいの痛みを見つけ、その痛みの中で歩幅と歩数を調和させて「リズム」をつくること。リズムを生み出す源泉は腕振りである。

いきなりウルトラマラソンに挑戦すると身体を壊しそうなので、フルマラソンを余裕で走れるようになってから、のんびり挑戦していこうと思う。

[amazonjs asin=”4582857507″ locale=”JP” title=”ウルトラマラソンのすすめ: 100キロを走るための極意 (平凡社新書)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です