ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ [DVD]メタ・ホラー・コメディという感じの素晴らしい映画だった。
13日の金曜日をベースにし、バック・トゥ・ザ・フューチャーのような凝りに凝った演出とポップな絵作りで、大いに笑わせ、ちょっと泣かせる。
最初から最後までニヤニヤし通しだった。
一般受けすることはないだろうけど。

マックスの母親は、スラッシャー映画の出演で有名な女優である。
その母を事故で亡くしたマックスは、おばさんの家に引き取られ生活することになった。
母の命日に、地元の映画館でそのスラッシャー映画の上映イベントが行われ、マックスもイヤイヤ参加することになる。
映画の上映中に火災が発生し、マックスたちはスクリーンの裏の出口から脱出するために、スクリーンを切り裂いて逃げようとする。
その先は、映画の世界だった。
スラッシャー映画の世界に迷い込んだマックスは、若き日の母親と再会する。
この映画のストーリーを知っているマックスたちは、映画の登場人物たちにどこまで話して良いか迷う。
その間にも、殺人鬼は予定通り若者たちを殺していく。
セックスした後には殺されるルールなので、マックスは母親がなんとかセックスしないように妨害する。
映画とは違う順番で殺人が起こったことで、マックスたちは、殺人鬼を退治するしか映画の世界から脱出する方法はないと決断するが・・・

ストーリーの説明をするとバカみたいだが、小気味の良い展開とポップな絵作りでグイグイ引き込まれる。
無駄に凝ったカメラアングルは初期のデ・パルマを想わせるし、赤と青のライティングはダリオ・アルジェントのようでもある。
スラッシャー映画がベースだが血糊は少なめで、子供が観ても大丈夫だと思う。
むしろ母娘の愛が泣かせる。
「ファイナル・ガール」ではなく「ファイナル・ガールズ」であるところがミソである。

どんなオチになるのか心配だったが、まさかその手で来るとは!
日本では映画館にかかることはないだろうが、数年後にはカルト映画として語り継がれるだけのポテンシャルのある映画だと思う。
布教しなければ!

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