ずっとお城で暮らしてる

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)恐怖小説の古典「山荘奇譚」のシャーリィ・ジャクソンの作品である。
恐怖小説と言っても、幽霊や怪物が出てくるわけではない。
人間の醜さがテーマであり、不愉快な読後感の残る小説だった。

かつて毒殺事件で多くの家族が死んだ屋敷で、女の子2人と精神に障害のある叔父さんが住んでいる。
末っ子であるメリキャットだけが村に買い出しに行くが、村の人々から冷たい仕打ちを受ける。
メリキャットの視点で語られ、情報が小出しで、状況が判然としないが、女の子に対する村人の態度に、まず不愉快になる。

従兄弟を名乗る男が屋敷に乗り込んで来て、お姉さんに取り入り、メリキャットと叔父さんを冷たく扱う。
この男の傲慢さも腹立たしく、メリキャットには頑張って欲しくなる。

後半、村人の妬みが爆発し、屋敷は大変なことになる。
普通の人々がそこまで暴虐な振る舞いをするのか、それともメリキャットの思い違いなのか。
はっきりしないところはあるが、メリキャットと姉の生活は悪い方に変わってしまう。

結局のところ、何が原因で、何が問題か明確には説明されないが、人々の妬みと恨みのイメージだけが残る作品である。

[amazonjs asin=”4488583024″ locale=”JP” title=”ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です