死神の浮力

死神の浮力 (文春文庫)このシリーズに登場する死神は、人間の寿命を判定するのが仕事である。
対象の人間の行動を観察し、近々死ぬべきから判断を下す。
人間の常識を超越した死神の感覚で、人間社会をユーモラスに、批判的に描いた短編集が、前作「死神の精度」だった。
本作は、その長編版である。

サイコパスに娘を殺された夫婦の夫の方の寿命を判定するのが今回の仕事である。
無罪として釈放された犯人を、殺すために夫婦はつけ狙う。
しかし、サイコパスの犯人の方が一枚上手で、復讐はなかなかうまくいかない。
行きがかり上、夫婦に同行することになった死神は、時に足を引っ張り、時に夫婦を助けることになる。

全体的に、長すぎる印象だった。
このネタは短編向きなのかもしれない。

作者がサイコパスを描くあたって参考にした資料が、私が読んだことがあるもののようで、何だか嬉しい。
死神のイメージは、人間に化けた宇宙人同士の闘いを描いた映画「ヒドゥン」を思い出させる。

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