叫びの館

叫びの館〈上〉 (創元推理文庫)知能に障害があるが常人を超える特殊能力を持つサヴァンを集めて、ひとつの人格を作る実験が行われる。
しかし、その中に超能力を持つサイコパスが紛れ込んでいた。
さらに、実験で使う屋敷には、怨霊が巣食っていた。
なんとワクワクする設定だろう!

しかし、キーとなる疑似科学の方法に説得力が足りない。
サヴァンたちの脳波を集めて、コンピュータ上に人格を作るには無理がある。
それに今時の流行りは、脳波ではなくfMRIだろうと思う。
しかし、脳波をFM電波のようだとし、人間の脳をデコーダーと考える発想は面白い。

リーダーの博士が意外に可愛らしい。
偏屈なオヤジだと思ったら、美人のソーシャルワーカーに惹かれ、頭が上がらなくなってしまう。
研究チームのリーダーシップを奪われた上に、サヴァンたちの面倒に右往左往することになる。
登場人物たちは個性豊かだが、展開が突飛過ぎるきらいがある。
前半は幽霊屋敷小説風だが、後半は超能力アクションになっていく。

設定を盛りすぎているが、その意気込みは買える。
期待ほどではなかったが、楽しめる小説だった。

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