都市

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)「中継ステーション」が面白かったので、シマックのもうひとつの代表作を読んでみることにした。
こちらも独特の雰囲気の味わい深い小説だった。
人類がいなくなり地球の支配者となった犬たちが、残された物語から、人間というものが本当に存在したか議論している設定である。

「都市」という題名ながら、人間が都市に住まなくなった時代の話から始まる。
長い年月に渡る歴史を、幾つかの異なる時代の風景として描かれている。
人間の側の主人公は、常にある家系の末裔が担っているのも面白い。

次第に主人公は、残された犬たちやロボットに移行する。
地球から姿を消した人間を待ちわびる犬やロボット達の姿は、とても寂しげだが、愛らしい。
このような人類の終わりも良いのではないか、と思ってしまう。
まあ、人類が終わったかどうかは、微妙なところだが。

未来だけど懐かしい、シマック独特の世界である。

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