クリムゾン迷宮

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)不可解な状況に投げ込まれ、生き残りのゲームを強いられる小説である。
映画「ソウ」のヒット依頼、日本でもサバイバルゲームの小説や映画が沢山作れれたが、この小説は1999年の出版であり、このブームとは違うのかもしれない。
それに舞台は密室ではなく荒野である。
大自然の中でのサバイバルは、人間同士の騙し合いとは違った楽しさがある。

主人公は、気がつくと地球とは思えない異様な風景の中にあった。
自分の置かれた状況が分からないまま、ゲーム機の指示に従って行動することになる。
同じ境遇に置かれた人々と、複数のグループに分かれて、食糧や武器、情報の調達へ向かう。
やがてそれらの人々と殺し合いをすることになる。

生き残るために互いに殺し合え、という明確な指示はない。
ゲームの参加者が自身で判断し、結果として殺し合いになってしまう。
また、あるグループは薬によって身体が変容し、人喰いの化物グールとなってしまう。
このあたりは、クライムノベルというよりも、ファンタジーの雰囲気がある。

オーストラリアの原野で、ゲーム機で得た情報を元に、サバイバル生活を強いられる。
意外なことに、知識さえあればオーストラリアの原野は食糧が豊富で、トカゲなども食べられるようだ。
食べ物を探して料理するシーンなどは、アウトドア生活のようで、ちょっと楽しそうだ。

このゲームは何のために行われているのか?
途中でネタは割れてしまうのだが、アクションシーンの描写が巧いので、最後まで楽しませてくれる。

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