ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

潮文庫 ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<上>「ティム・バートン史上最も奇妙な物語」というウリの本書。
興味は持ったが、よくよく考えてみるとティム・バートンとはあまり相性が良くない。
それでも裏表紙の説明を読むと、とても魅力的な小説だったので、読んでみることにした。
確かに奇妙だが、なぜこんな設定か、なぜこのような展開か、感覚的にはよくわからない物語だった。

主人公の高校生ジェイクは、祖父の冒険譚を聴くのが大好きな子供だった。
時に、祖父が過ごした孤児院の不思議なこともたちに強く惹かれていた。
しかし、ジェイクも大きくなるにつれ、祖父の話を疑うようになった。
敵が来た、という祖父からの知らせに駆けつけてみると、森の中で祖父は殺されていた。
ジェイクは森の中で化物を目撃したが、誰にも相手にされず、カウンセリングを受けることになる。
祖父の過去を知り、自身の幻想を振り払うために、ジェイクは孤児院のある島に向かう。
しかし、孤児院は第2次世界大戦の爆撃で廃墟となっていた。

その後の驚くべき展開・設定で、ジェイクは祖父と孤児院の秘密を知ることになる。
ちょっと納得がいかないところもあるが、独創的な発想である。

本書は、超能力モノであり、新人類モノであり、タイムトラベル・モノではあるが、SFではない。
純粋にファンタジーである。

ちょっと昔のトリック写真のような挿絵が印象的である。
空中に浮く少女、ハチをまとう男の子、怪しい双子など、気の弱い子供は夢にみそうな不気味さである。
ストーリーと写真のどちらを先にネタとして思いついたのだろう。

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