人口と日本経済

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)日本の人口が減少傾向にあるのは明確な事実である。
人口減少は経済的には負のインパクトがあるが、現在の日本は悲観的になり過ぎている、というのが著者の主張である。
たとえば生産性に一番影響があるのは、人口増ではなくイノベーションである。
というようなことを、豊富な統計資料を使って説明している。
興味深い本だった。

人口というのは常に人類のテーマだった。
人口の増加は経済の成長を招く可能性があるが、リソースが不足する危険性があった。
経済学においては、人口の増加について多くの理論が議論されてきた。
そして、人口の減少は現代の日本が最初ではなく、ローマやイギリス、江戸などでも人口の減少が起こっていた。
それは大きな問題である場合もあったし、それほど問題でもなかった場合もあったようだ。

人口の増加と経済の成長はイコールではない。
人口の増加よりもイノベーションの方が経済成長へのインパクとは大きい。
必要とされる製品が変わらなければ経済成長は人口に依存するが、実際にはイノベーションが起こるたびに必要とされる商品は変わってきた。
例えばガソリン車に変化がなければ生産・購入数は人口に縛られるが、イノベーションにより車に求められる機能が変わるため、より魅力的な車を生産出来たほうが販売金額は高くなる。

少子高齢化が問題であるのは間違いないが、過度に悲観的にならないために読んでおいた方が良い本だと思った。

最適な人口とは、それ以上に人口が増えると平均的な福祉の水準が、もはや上がるのではなく、逆に下がってしまうような人口の水準である。つまり、最適な人口とは、1人当たりの平均的な福祉の水準を最大にするような人口である。

新しいタイプの車を生み出すプロダクト・イノベーションがなく、旧来のガソリン車だけだったとしたら、需要は「人口」によって規定されるに違いない。そこれはロバートソン、ケインズが強調した「需要の飽和」が必ず貫徹するであろう。(中略)時代の要請に応える新しい自動車が新たな成長を生み出しているのである。それは人口と1対1に対応するものではない。

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