本当にわかる心理学

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学占いの延長のように心理学を紹介しているのかと思ったら、心理学を一般的な分類ではなく、方法論に着目した独自の分類で紹介する、なかなか硬派な本だった。
紹介されている理論や実験は、有名なものがほとんどで物足りないところもあるが、入門書としては良い本だと思う。

本書では、心理学を次のように分類して、解説している。

・「現象」から見える心理学
・「実験」で測る心理学
・「観察」で見抜く心理学
・「理論」を整理する心理学
・「技法」を提示する心理学

「教育心理学」「臨床心理学」などの適用分野別に分類するのが一般的だが、この本では心理へのアプローチ方法で分類している。
これはこれで面白い。

『「現象」から見える心理学』とは、日常的な現象から人間の本質を推測する方法である。
『「理論」を整理する心理学』とは、タイプの分類をするために現象をモデル化することであり、『「技法」を提示する心理学』とは、理論を応用し臨床で役立ていることである。

分類の方法は一般の人にはとっつきにくいかもしれないが、なかのトピックは、日常でも役に立ちそうなものが多い。
例えば、次のような。
・美男美女であることは本当に得か?
・やる気を最大限に引き出すアメの与え方とは?
・セクハラをしやすいのはどんなタイプ?

科学としての心理学への入門書としては、良い本だと思う。

相手を飽きさせず、長期にわたって操ることに長けている人は、2種の強化法の「組み合わせ」を行っている。最初の頃は、連続強化によって信頼関係を強固なものとするのだが、それが完成したら、今度は間欠強化に切り替え、相手に意外性を与えるのだ。

人は、グラデーションが壮観に並べられているのを眺めていると、どれか1つ自分に似合いそうと感じ、「自分だったらこれかな?」と、いつの間にか強制選択してしまう。そして一度選択してしまうと、今度はそれを手に入れたくなる。自分で選んだ、自分で決めた、という幻想がわくからだ。店員から「これがおすすめですよ」などとあてがわれるよりも、自分で考えて「これ」と決めてしまったものには、心理的には数倍価値があるように感じるのだ。

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