アイスクライミング講習

アイスクライミングの初心者講習に行ってきた。
アイスクライミングとは、氷の壁を靴の爪とピッケル(アックスと言う)で穴を開けながら登る遊びである。
去年は膝の故障で行けなかったが、今年は念願かなって参加出来た。
道具なしで岩壁を登るフリークライミングとは違う難しさがあり、なかなか奥が深い。
でも、何度もやるには出来る場所が遠過ぎる。

今回の講習は長野の岩根山荘という場所なのだが、埼玉から遠い。
韮崎駅8:40集合なので、地元の駅の始発に乗らなければならない。
そして、八王子から各駅停車で2時間、24駅である。
後で聞いたら、特急もあったようだが、知らなかった。

韮崎駅から岩根山荘までは、車2台に分乗して向かった。
私の乗った車には、今回2回目という女の子と、何度も登っているという若者の2人が一緒だった。
初心者の私は、色々と情報収集させてもらった。
もう1台は、会社の仲間4人の初心者チームだった。

岩根山荘では、氷の壁にたくさんの人が群がっていた。
その日は、いつもより人が多かったようだ。
そして、暑かった。
氷の壁はちゃんとあったが、快晴のため、スエットの上にレインウェアを着ると、蒸れそうだった。
まさか、日焼けが心配になるとは思わなかった。
山荘には人懐っこい大きな犬がいて、遊んでくれとばかりに寄ってきた。
この犬は、なぜかサンダルがお気に入りで、いつも口にサンダルをくわえていた。

レンタルのシューズ、アイゼン、ヘルメット、グローブ、ハーネスのサイズを合わせて装着する。
ヘルメットはオーバーだと思ったが、アックスを打ち込む時に氷が跳ねて顔にぶつかるので、ヘルメットで避けるとのことだった。

軽い説明の後、いきなり本番である。
比較的傾斜のある斜面を、トップロープで真ん中まで登ってみることになった。
アックスが思ったより簡単に突き刺さるでの、常に持てる石を探すフリークライミングより楽な気がした。
しかし、最初の壁が刺さり易かっただけで、壁の状況によっては、なかなかアックスが刺さらない、刺さっても氷が割れてしまう。
やはり、刺さり易いところを探さなければならない。
靴のつま先の爪で氷に穴を開けて、自分で足場を作れるのだが、これもなかなかうまく穴が開かない。
少しでも足を置ける平らなところを探すと、安定するようだ。
はしごを登るように、狭いスタンスでまっすぐ登るのがコツらしい。

1本目は指示通り真ん中まで登り。
2本目は、うまく足場を見つけられたので10メートルの壁の頂上まで到達出来た。
2本登ったところでお昼休み。
山荘の食堂でカレーライスを食べた。

午後の3本目は、先ほどの場所より1メートル程度左のロープを上ることになった。
1メートルだけでも氷の状況がかなり違う。
氷がハングしているように見えて、登り易いルートがなかなか見つけられない。
なんとか登りきったが、途中握力がなくなり、刺さったアックスを置いたまま落ちるところだった。

4本目はさらに左に1メートル。
氷の表面がツルツルな上に、アックスがうまく刺さらない。
ガンバ、という声援が送られてきたが、アックスを握る力も無くなってしまったので、あえなく敗退。

他の面を登っているメンバーを見学に行った時、自分の靴の紐を踏んで見事に転んでしまった。
見ていた人から、マンガのように転んだね、と言われてしまった。
打った膝は痛いし、硬い氷のうえについた手のひらは少し出血している。
完全に戦意を喪失して、その日はこれでお終いとした。

初心者4人組が5本目を登るのを見学し、16時近くに終了となった。
経験者2人は、小屋に一泊して、明日は自然の壁を登りに行くらしい。
初心者チーム5人は、野辺山駅まで車で送ってもらった。
電車が来るまで、なにもない野辺山駅で待つ。
初心者チームと電車を待っている間に、私が51歳で、先週はフルマラソンを走ったというと驚かれた。
見ず知らずの若者と話すのも、なかなか楽しい。
小淵沢からは特急の指定席が取れたので、ゆったりと帰ることが出来た。

足の置き場や刺さりやすい場所の発見など、アイスクライミングはフリークライミングとは違った奥深さがある。
少し練習すれば、レベルが上がると思うが、出来るところが少なく、そして遠すぎる。
経験としては面白かったが、趣味にするにはハードルが高い。

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