魔物のためのニューヨーク案内

魔物のためのニューヨーク案内 (創元推理文庫)不倫で失職し、故郷のニューヨークでやっと見つけた仕事は、魔物のためのニューヨーク観光ガイドの編集だった。
大人向けの楽しいファンタジーである。

前の仕事をクビになった理由が上司との不倫というのだから、ハリーポッターと違って、大人向けのファンタジーである。
子供にはとても、読ませられない。
おまけに、上司の奥さんが恐ろしく怖い。
そして、それがラストへの伏線だったりする。

なんとか編集長になったゾーイは、ゾンビや吸血鬼などのスタッフのおやつにならないように、つねに気を付けなければならない。
それでも、男の夢魔の魅力に負けて、最後までいきそうになったところを、間一髪で逃れる。

綱渡りではあるが、スタッフや魔物が棲息するニューヨークにも慣れたころ、恐ろしい脅威がゾーイを追ってくる。
最後は、トランスフォーマーのようだ大スペクタクルになる。
ちょっとやり過ぎと思わないこともない。

次回作の舞台はニューオリンズらしい。
違う街でのゾーイの活躍が楽しみだ。

ライター募集
プラチナ社は、あなたのような方向けの旅行ガイドを出版する新しい会社。
あなたに役立つ本を書くために、あなたのようなライターを募集します。
(さらに続く)
応募資格ー執筆、出版、編集、いずれかの経験があって(現世でも、別世でも)、なおかつニューヨークに関する知識を有すること。
*寿命が編集期間(今回は9ヶ月)を下回る場合は不可。

ゾーイは話すのがためらわれた。サメを狩る人間の武勇伝を聞いたあとで、自分の腹にある虫垂炎の手術跡を見下ろしているロイ・シャイダーのような気分だった。

フィルがにやっと笑った。長い歯が剥き出しになり、ゾーイは自分の上司が何者であるかを思い出した。「わたしは不死身なんだよ、ゾーイ。福利という金利計算法は、ヴァンパイアによって生み出された。知らなかったかね?」

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