時間のないホテル

時間のないホテル (創元海外SF叢書)「巨大建築物に潜む”魔”をかってない筆致で描き上げたJ・G・バラード+スティーヴン・キング+ラブクラフトともいうべき最新作。」という本書の紹介を見たら、これはもう読むしかない。
しかし、なかなか盛り上がらない。

主人公の仕事は、顧客の代わりにビジネスイベントに参加し、情報を収集し、レポートを提出するというものだった。
全世界的なチェーンを展開するホテルに宿泊した彼は、すぐそばのイベント会場へ出向くが、イベントの主催者に仕事内容を知られ、排斥されることになる。
イベントの登録を取り消されたため、イベント会場までの専用バスにも乗れず、高速道路と砂漠を渡り会場にたどり着いても、中に入れない。
仕方なくホテルに帰ると、謎の美女に導かれ、ホテルの迷路にさまよい込んでしまった。

導入は、ホラーというよりビジネス小説のようである。
その状態が延々と続き、119ページの第二部まで、ほとんど不思議なことは起こらない。
何度か挫折しそうになった。

ホテルの迷宮にはまり込んでからは急展開となる。
<ここからネタバレ>
世界中で営業しているホテル・チェーンが全てつながっており、ひとつの生き物という発想は凄いと思う。
でも、J・G・バラード+スティーヴン・キング+ラブクラフトは言い過ぎだろう。
確かに、自身のために人間を使うのは「シャイニング」のオーバールックホテルのようだし、建物が主役のはは「ハイライズ」を思わせるが。

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