天冥の標

天冥の標 Ⅰ メニー・メニー・シープ (上)小川一水による未来史シリーズの第1巻。
地球から遠く離れた植民星では、テクノロジーが失われ、改造された人間と異星生命体が同居するファンタジーのような世界になっていた。

舞台となる惑星は、独裁政権がひかれており、電力等が厳しく制限されていた。
独立心の強い船乗りの多い地方では、独立運動の機運が高まっていた。
主人公の医師は、村に紛れ込んだ異型の生き物をかばうことになる。
本人の意思に関係なく病原体を撒き散らしてしまい、村人に殺されそうになったその生き物は、人間とは異なるが、人間の女性のような顔をしており、助けた医師になつくようになる。

この小説では、様々な種類の生き物がひとつの惑星に共存している。
船乗りの人々は、遺伝子改造により酸素を呼吸する必要がなくなり、その代わり定期的に充電しなければならない。
人間が移民してくるまえから存在した土着の生き物は、アリのような集合的知性はあるが、人間に奴隷のように扱われている。
しかし、物語が進むにつれ、その中の一人が自我に目覚める。
植民時に連れてきたロボットたちは、テクノロジーが失われたため修理も出来ない。
それでも人間を健気に助ける姿が泣かせる。

単に嫌な奴だと思っていた独裁者の少年は、実は大きな苦悩を背負っていた。
クーデターの結果として、異型の生物が都市に襲いかかる。
この後が気にはなるが、あまり趣味ではなかったので、続きを読むことはないだろう。

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